Graduate Admission

台湾の大学院留学と出願方法

台湾の大学院入試は、日本の院試とは前提が異なります。筆記試験はほぼなく、志望動機書(SOP)と推薦状を軸にした書類審査で決まります。修業年限・出願資格・学費といった基本から、何を、いつまでに、どの水準で用意するのかまでを整理します。

台湾の大学院の基本

修業年限は修士 1〜4 年、博士 2〜7 年
台湾の大学法(第 26 条)で、修士は 1〜4 年、博士は 2〜7 年と決められています。修了までの期間は課程や研究の進み方で変わります。このサイトの費用の試算は、修士に 2 年間在籍した場合で示しています。
修士課程の出願資格は、原則として学士の学位
原則として、修士課程には学士の学位、博士課程には修士の学位が必要です(同等の学力の認定などの例外があります)。卒業見込みの段階でも出願でき、NTU では卒業証書の代わりに卒業見込み証明書か在学証明書を出し、入学の手続きで卒業証書の原本を確認されます。
学費は国際学位生の額で、学院ごとに違う
NTU の修士の一般の課程は 1 学期 NT$51,280(文・社会科学・法律学院)〜 NT$62,360(医学院・公共衛生学院)で、1 NT$ ≒ 5 円とすると約 26 万〜31 万円です(115 学年度)。臨床系や一部の国際課程は別の額です。大学・学院別の額と、修士 2 年の総額の試算は学費のページにまとめています。
国立 4 大学の大学院
QS 世界大学ランキング 2027 での台湾の上位 4 校は、NTU(54 位)・NTHU(142 位)・NYCU(177 位)・NCKU(191 位)です。4 校とも英語で修了できる修士課程を開いており、中国語を学んだことがなくても出願できる課程があります。

日本の院試との違い

筆記試験は通常ない
国際出願者は筆記試験を免除されるのが通常です。選考は書類と、実施される場合はオンライン面接(15〜30 分程度、英語)で構成されます。
共通願書がなく、大学ごとに出願する
各大学の国際学生用ポータルから個別に出願します。1 大学で同時に出願できるプログラム数には上限があり、NTU は 5 つ、NCKU・NYCU は 3 つです。
受入教授との適合が重い
研究テーマと受入教授の専門が合っているかが評価されます。NTHU の電機工程は SOP に指導希望教授名を書くことを必須としており、半導体研究学院は事前の教授コンタクトを推奨しています。

必要書類

大学により細部は異なりますが、共通して求められるのは次のものです。

学位証明書・成績証明書
NTHU・NCKU は在外公館による認証または公証を求めます。中国語または英語の訳文が必要です。
志望動機書(SOP)または Study Plan
NTHU の電機工程は 1 ページ以上 3 ページ以内と明記しています。NCKU は Study Plan に加えて Autobiography を求める学科があります。
推薦状
通常 2 通が標準です(NCKU は 2 通必須、NTU は最大 5 通まで受け付け、学科により必要数が異なります)。推薦者がオンラインで直接提出する方式が主流です。
語学証明
英語課程は TOEFL iBT・IELTS などのスコア。中国語講義の学科は TOCFL が必要になります。
財力証明
NTHU・NCKU は USD 4,000(約 NT$120,000)以上の残高証明を求めます。発行から 3 か月以内という条件が付きます。
出願料
NT$2,000 前後(NTU は 1 学科ごとに NT$2,000・3 学科目以降 NT$1,500、NCKU は 1 人 NT$2,000 で 3 学科まで)。

英語の要求水準

各大学が公表している、英語で授業をする学科の全学共通の最低基準です。実際には学院・学科ごとにより高いスコアを求められることが多く、合格者の水準はさらに上になることがあります。

主要大学の英語の最低基準(全学共通、国際学位生)
大学英語の最低基準出典
NTUCEFR B2 以上2027 年 9 月入学 募集要項
NTHUCEFR B2 以上(例: TOEFL iBT 71・TOEIC 750・IELTS 5.5)国際学生 FAQ
NCKUCEFR B1 以上(学科の要件が優先)国際学生 出願案内
NYCUCEFR B1 以上(学科の要件が優先)2027 年春入学 募集要項

英語圏の国籍を持つ場合や、前の学位を英語で修めた場合は、英語の証明を免除・代替できることがあります。必ず志望学科の最新要項をご確認ください。

SOP に盛り込みたい 7 つの要素

台湾の大学院の SOP は、志望理由の作文ではなく、小さな研究提案として読まれます。分量や形式は学科ごとに指定があるため、まず志望学科の要項で確認します。

1. 研究背景と志望分野
学部での具体的なプロジェクト・論文・卒業研究に紐づけて書きます。
2. 研究目的とテーマ
「AI を学びたい」のような広いテーマでは、何を研究したいのかが伝わりません。対象や課題まで絞って具体的に設定します。
3. 方法論
既存文献を引用し、1〜2 個のリサーチクエスチョンを立てます。
4. 期待される成果
修士 2 年で実際に到達できる範囲で書きます。
5. 指導希望教授名
NTHU の電機工程のように、指導希望教授名の記入を求める学科があります。求められていなくても、関心のある研究室を具体的に挙げると適合が伝わります。
6. なぜこの大学・学科か
「家から近い」「有名だから」ではなく、特定の研究室の研究内容と結びつけます。
7. キャリアプラン
アカデミアに進むのか、産業界に出るのかを明示します。

評価を下げやすい書類の例

指導希望教授名の記入漏れ
記入を求める学科で空欄にすると、書類の不備になります。求めていない学科でも、研究室との適合が伝わりにくくなります。
使い回しの SOP
大学名だけ差し替えた文面は、審査側に伝わります。
GPA が低く、説明も補強もない
成績の基準は大学・学科ごとに違い、全体に共通する足切りの公表値はありません。成績に不安がある場合は、研究経験や語学スコアなど別の材料で補強します。
推薦状と SOP の内容が食い違う
推薦者に自分の研究計画を共有しないまま依頼すると起こりがちです。

出願スケジュール

秋入学の出願は、前年の秋から春にかけて行われます。2027 年秋入学では、NTU が 2026 年 9 月 29 日〜11 月 5 日(第 1 次)と 2026 年 12 月 1 日〜2027 年 1 月 19 日(第 2 次)、NYCU が 2026 年 12 月 20 日から受付を始めます。NTHU と NCKU は 2026 年 10 月 18 日時点で未公表で、2026 年秋入学の実績は NTHU(大学院)が 2025 年 12 月 15 日〜2026 年 2 月 25 日、NCKU が 2025 年 12 月 20 日〜2026 年 3 月 15 日でした。

結果の発表時期は大学と回によって異なり、たとえば NTU の 2027 年入学では第 1 次が 1 月、第 2 次が 4 月です。開講は 9 月です。奨学金(台湾政府系は例年 2 月〜3 月申請)と重なるため、出願と奨学金応募は同時並行で進めることになります。

上は 2027 年秋入学の日程と、参考として載せた前の年度の実績です。締切は毎年変わるため、出願前に必ず志望校の対象年度の募集要項でご確認ください。

台湾のトップ大学への挑戦を、Ollin と。

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